「リピート系注文で大成功」が出ないのはなぜか
インターネットを検索すると、真偽のほどは別として、「FXで成功した人」がたくさん出てきます。しかし、「リピート系注文で成功した人」というのは、なかなか見つかりません。なぜでしょうか。
理由を考察してみましょう。
理由1:利益率が高くないから
リピート系注文は、裁量トレード(為替の上下動を読んで取引する方法)に比べれば、利益率が低くなるのは仕方がありません。
例えば、現在の為替レートが100円だったとして、近い将来105円になると予想したとしましょう。裁量トレードならば、一気に買って一気に利食いすることができます。1トレードでドカンと資産を増やせるでしょう。
しかし、リピート系注文は、注文を細かく分割して広い範囲に敷き詰めます。一点集中型ではありません。100円から105円の上昇過程で利食いを繰り返すでしょうが、一点集中で買う裁量取引と比べれば、どうしても爆発力はないでしょう。
すなわち、リピート系注文の億万長者がなかなかいないのは、「資産が大きくなるために時間がかかる」ことが原因かもしれません。
利益率が原因ではなさそう
しかし、リピート系注文は、遅くとも2000年代前半には知られていたトレード手法です。ということは、リピート系注文を継続し、獲得した資金をさらにトレードに投入すれば、複利効果で資金がどんどん大きくなるはずです。
10年、20年と複利運用すれば、1年あたりの資金の増え方はイマイチでも、資金は大きく増加します。
下のグラフは、初期投資額が100万円で資産が毎年10%増加し、その増加分をさらにトレードに投入する場合の資産増加の様子を示しています。
FXとしては控えめかな?という年率10%であっても、順調にいけば資産はしっかりと増えていきます。
また、世の中にはFXが上手な人が大勢いるので、年率15%で複利運用できる人もいるでしょう。その場合の資産増加曲線は、以下の通りです。
20年で資金が16倍くらいになっています。100万円の自己資金が極めて大きくなる様子が分かります。
ということは、リピート系注文で成功した人がなかなか見つからないのは、利益率が控えめだからではなさそうです。
理由2:途中でロスカットになるから
リピート系注文で成功者がたくさん出てこない(かもしれない)のは、資産増加スピードが原因ではなさそうです。
資産を増加させるには、以下の2つが必要です。
・損切りなどで資産を減らさない
ということは、リピート系注文で大成功者がなかなか出てこないのは、「損切りなどで資産を減らしてしまう人が多いから」だと予想できます。
ただし、トレードをしていれば、損切りを避けて通るのは困難でしょう。利食いできることもあれば、損切りすることもあります。トータルで損切りの額の方が大きいことが問題です。さらに書けば、為替レートの急落時などに一気に損失を膨らませることが問題です。
実際のところ、ゆったり為替(当サイト記事執筆者)も、数多くの失敗を繰り返してきました。一気に多額の損失を出したこともあります。強制ロスカット以外の失敗は全て経験済みだと言えるほどです。
しかし、生き残って現在に至ります。
そこで、よくある失敗のパターンを考察しましょう。これらを実行しなければ、失敗してしまう可能性を減らせるでしょう。すなわち、成功に一歩ずつ近づけるということです。
なお、ここでは失敗のリピート系注文について特集しています。しかし、本質はFXトレードの失敗と同じです。リピート系注文に限りません。そこで、FX全般の失敗例として考えていただき、これらの失敗を避けるようにしましょう。