長期チャートの特徴とスワップ金利
長期間にわたってリピート系注文を実行しようとする場合、何に気を付ければ良いでしょうか。ここでの長期間とは、1年以上の期間を指します。
- スワップポイントの推移
- 長期のチャート形状
- 1日(及び1年間)の値動き(高値と安値の差)
以上の3つが特に重要ではないでしょうか。その理由などを順に確認していきましょう。
スワップポイントの推移
1年、5年、10年と継続してリピート系注文をする場合、スワップポイントがマイナスだったら、かなり厳しいと予想できます。1日当たりのマイナス金額は小さいとしても、1年間なら365倍、10年なら3,650倍の額が損失となってしまいます。
そこで、可能ならば、スワップポイントは常にプラスにしたいです。
スワップポイントが極めて小さい通貨ペアや、プラスとマイナスが頻繁に入れ替わるような通貨ペアならば、あまり注意する必要はないかもしれません。
しかし、含み損が大きいときにスワップポイントもマイナスだと、精神的に参ってしまうかもしれません。そこで、「過去はどうだったか」を取引前に確認する必要があるでしょう。取引期間は年単位ですから、確認すべき過去のスワップポイントも年単位になります。
長期のチャート形状
将来の為替レートがどう動くのか、事前に把握することはできません。しかし、手掛かりが全くないというわけではありません。手掛かりのひとつは、チャートです。
過去数十年にわたるチャートを見れば、将来の値動きを何となくでも予想することが可能です。
例えば、米ドル/円(USD/JPY)は最近20年で75円が円高記録なんだな、ということを知っているだけで、注文をどの範囲に設定すべきかの悩みは大きく減るでしょう。
「もしかして、米ドル/円(USD/JPY)=1円はありえるかなあ?」
・・・将来、1ドル1円という状況が実現するかもしれません。しかし、過去数十年のチャートを見る限りは、その考えはとりあえず不要だと分かります。
1日間(1年間)の値動き
これは長期トレードだけでなく、短期トレードでも必要な情報でしょう。リピート系注文は、為替レートが上下動することによって小さな利食いを繰り返します。
ということは、為替レートが動かないと利食いできませんし、大きく動いてくれるならば、1日に何度も利食いできるかもしれません。
同様に、年間の値動きの特徴も知っておけば、どれくらいの広さ(範囲)に注文を出すべきかの道しるべになります。
よって、1日や1年間の値動きの特徴を知っておくことは、とても大切でしょう。
1日間(1年間)の値動きを知らないと・・・
ある設定を採用するかどうかを考えるとき、過去の値動きが今後も続くとするならば、1日何回約定するのか見込みを立てられます。
この見込みがないまま設定を稼働してしまい、そして、なかなか約定しなかったとしましょう。
すると、約定がなくてつまらないので、注文本数を増やしてしまうかもしれません。自分の資金に比べて過大な追加注文を出してしまい、円高の時に一気に強制ロスカット・・・という事態は避けたいです。
どのような注文をするか、追加するかどうか、こういったことは、事前に決めておきたいです。この判断をするために、1日間(1年間)の値動きデータが役に立ちます。
なお、繰り返しになりますが、こういった判断は取引する前に決めておきたいです。というのは、取引開始後では冷静な判断がなかなか難しいからです。
取引開始後に考えようと思っても、すでにトレードが始まっています。為替レートが動くたびに評価損益が変わっていきますので、含み益があればうれしいですし、含み損があれば焦るかもしれません。
「稼ぎたい」「損したくない」という感情が、合理的な判断の邪魔をしてしまうのです。感情に任せてトレードすると、往々にして負けてしまいます。
調査した通貨ペア
以上、通貨ペアの特徴を調べることの大切さを確認しました。このコーナーでは、以下の通貨ペアについて、過去の値動き等を調査しています。
調査対象
・米ドル/円(USD/JPY)
・ユーロ/円(EUR/JPY)
・ポンド/円(GBP/JPY)
・豪ドル/円(AUD/JPY)
・NZドル/円(NZD/JPY)
調査対象
・トルコリラ/円(TRY/JPY)
・南アランド/円(ZAR/JPY)
米ドル/円(USD/JPY)などFXで人気の主要5通貨ペアにつきましては、2本立ての記事でお送りします。「長期チャートの特徴とスワップポイント」(このカテゴリ)と「値動きの大きさ」カテゴリです。じっくりご覧ください。
上記以外にも、独特な値動きで分析の価値があると思われる通貨ペアについては、随時調査する予定です。