NZドル/円(NZD/JPY)と言えば、何といってもその高いスワップポイントが魅力です。
トルコリラ/円(TRY/JPY)なども高金利ですが、新興国通貨ペアならではの不安定性が付きまといます。しかし、NZドル/円(NZD/JPY)は先進国通貨ペアですから、安定性という面で有利です。
このようなNZドル/円(NZD/JPY)のスワップポイントや値動きの特徴を確認しましょう。
NZドル/円(NZD/JPY)のスワップポイント
下のグラフは、ニュージーランドと日本の政策金利推移です。ニュージーランドの方が断然高いと分かります。すなわち、NZドル/円(NZD/JPY)を買って持てば、スワップポイントは毎日プラスだということです。
注目できるのは、2008年のリーマンショック後です。米国、イギリス、ユーロ圏などはゼロに張り付くような金利水準まで下落しました。しかし、ニュージーランドはそうではありません。
スワップポイントで収益を得ようとする投資家にとって、とても心強い推移でしょう。
ちなみに、下のグラフは、ニュージーランドと米国の政策金利比較です。2000年よりも前まで遡れば、米国の政策金利の方が高かった時期があります。しかし、おおむねニュージーランドの方が高いと言えます。
この状況を受けて、毎年のスワップポイントも大きな値です。下のグラフは、「くりっく365」でNZドル/円(NZD/JPY)を1万通貨買って保有した場合の、毎年のスワップポイント獲得額を示したものです。
年間の獲得額が1万円に満たないような通貨ペアが複数ある中、NZドル/円(NZD/JPY)は高いスワップポイントで推移したと分かります。
NZドル/円(NZD/JPY)の値動きの特徴
では次に、NZドル/円(NZD/JPY)の長期チャートを確認しましょう。下のチャートは、1996年以降のものです。値動きにどのような特徴があるでしょうか。
最初に気づくのは、「長期的に見て高値と安値がほぼ一定の値だ」ということではないでしょうか。下のチャートは、高値と安値あたりで赤線を引いたものです。
過去20年以上にわたって、40円前半~90円半ばで推移してきたと分かります。高値と安値の差は50円台です。ポンド/円(GBP/JPY)やユーロ/円(EUR/JPY)などと比べて、とても狭い範囲で動いていると分かります。
次の特徴として、下のチャートをご覧ください。赤の四角を5つ追加しました。
NZドル/円(NZD/JPY)が高値または安値に近づくと、とがった形になりやすいことが分かります。これが意味することは、以下の通りです。
急激に円安になったから買ってみよう!と買ったところ、一気に円高に反転して大損。では売って勝負?と思っても、NZドル/円(NZD/JPY)は高金利通貨ペアなので、スワップポイントのマイナスが大きくて精神的に大変。
急激に円高になったので、追撃で売ると、反転上昇で大損。ただし、ここで買えれば、急激な円安反転と大きなスワップポイントで二重にうれしい。
過去の為替レートの推移が今後も続くと想定するなら、円高の場合には確実に買いたいです。また、円安の場合には慎重に行動したいです。
どの範囲でリピート系注文を設定すればよいか?
以上の分析を受けて、長期間のリピート系注文を実行するならば、どの範囲に買い注文を設定すれば良いでしょうか。
40円台前半から90円台半ばまで全体に発注するという方法もあるでしょう。価格の範囲は50円台ですから、資金力があるならば実行可能です。
しかし、90円前後で買うと、すぐに円高に反転して含み損になってしまうというのが、過去の実績です。将来の値動きがどうなるかというのは不明ですが、この事実を無視するのは少し怖いかもしれません。
そこで、下の赤枠で囲った範囲でリピート系注文を実行するという案が出来上がります。
過去の円高記録あたりまで買い注文を出します。余裕があれば、もっと円高の部分でも発注するという案があるでしょう。2008年のリーマンショックでも実現しなかったレートですが、今後どうなるのかは分かりませんので、保険の意味合いもあります。
一方、円安部分は控えめに設定します。上のチャートの赤枠は90円まで買い注文を出すという案であり、90円台半ばまで買い注文を出していません。
この案でも少し心配だなという場合は、80円台半ば、あるいは80円台前半まで、という感じで、最も円安の注文を円高方向にずらしながらリスクを調整します。
例えば、90円で買った後に決済できずに円高になり、50円になったとしても、資金的にも精神的にもそのトレードを継続できるだろうか?・・・そんな感じで設定を考えてもよいかもしれません。