通貨ペアの長期チャートとスワップ金利

豪ドル円の長期チャートとスワップポイントの特徴

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スワップポイントが大きい上に、値動きも大きい。そして、先進国通貨ペアの安心感。豪ドル/円(AUD/JPY)には、このようなイメージがあるかもしれません。

しかし、イメージだけで私たちの大切なお金を投入するのは危険でしょう。そこで、豪ドル/円(AUD/JPY)の特徴を調査しましょう。

豪ドル/円(AUD/JPY)のスワップポイント

高金利通貨ペアの一角を占める豪ドル/円(AUD/JPY)ですが、実際の大きさはどれくらいでしょうか。スワップポイントの長期的な推移を確認するのは難しいので、豪州と日本の政策金利を比較しましょう。

政策金利差とスワップポイントの大きさは、おおむね比例していると考えられるためです。

上のグラフを見ますと、過去20年以上にわたり、豪州の政策金利は常に日本より高かったと分かります。すなわち、豪ドル/円(AUD/JPY)を買って持っていれば、スワップポイントは毎日プラスだったと予想できます。

ここで、過去のスワップポイントについて「くりっく365」の公開データで確認しましょう。

下の棒グラフは、くりっく365で豪ドル/円(AUD/JPY)を1万通貨買った場合の、1年間のスワップポイントの大きさを表しています。

2009年以降で最もスワップポイント益が大きかったのは2011年です。その後はじわじわと低下している様子がわかります。これは、日本と豪州の政策金利差の推移と概ね一致しています。

スワップポイントの大きさは次第に低下しています。しかし、世界的な低金利を踏まえて考えますと、豪ドル/円(AUD/JPY)はやはり高金利通貨ペアの一角を占めていると考えて良さそうです。

豪ドル/円(AUD/JPY)の値動きの特徴

では次に、豪ドル/円(AUD/JPY)の長期的な推移を考察しましょう。下のチャートは、1996年以降の長期推移を示しています。

豪ドル/円の長期チャート

特徴として挙げられるのは、「50円台半ば~100円台で往復している」ということではないでしょうか。同じ範囲で行ったり来たりしているという意味では、豪ドル/円(AUD/JPY)は長期のボックス相場(レンジ相場)になっていると言えなくもありません。

ただし、その範囲は50円と巨大ですが。

もう少し詳しく分析してみましょう。下のように、赤線2本を追加しました。これは下値支持線を示しています。長期間にわたってこの下値支持線が機能していますから、これはかなり強力だと予想できます。

2000年ごろ~2009年ごろの下値支持線:
ドットコムバブル崩壊の頃の円高と、リーマンショックの円高が概ね同じ位置になっています。2008年のリーマンショックでは強烈な円高が実現しましたが、それでも2000年~2001年の円高を大幅に超えることはありませんでした。

豪ドル/円(AUD/JPY)の50円台には、極めて強力な下値支持線ができていると予想可能です。

2010年以降(2016年まで)の下値支持線:
2010年以降は、ユーロ圏崩壊観測、ギリシャ危機、イギリスのEU離脱に関する国民投票など、イベントに事欠かない時期でした。しかし、70円台半ばを超えて明確な円高になることはありませんでした。

この70円台半ばにも、強力な下値支持線があると考えられます。

次に、円安方向での特徴を確認しましょう。下のチャートをご覧ください。赤の四角を4つ追加しました。

この4つの四角はいずれも、円安の頂点を記録したころを示しています。槍のようにとがった形をしているのが特徴です。

ということは、「勢いよく円安になったのを確認して買ってみたら、そのあとすぐに急落してしまい、しかも、その後長期円高トレンドになってしまって大損」というシナリオが考えられます。

よって、豪ドル/円(AUD/JPY)が100円前後にあるときに買う場合、リスク管理を万全にする必要があるでしょう。

また、可能ならば、買わないで取引を見送ったり、逆に売りで勝負したりするのも良いかもしれません。売りの場合は、日々のスワップポイント損が大きくなると予想できますので注意が必要です。

どの範囲でリピート系注文を設定すればよいか?

では、上の分析を受けて、どのように長期のリピート系注文を発注すれば良いでしょうか。下は発注範囲の案です。

円高は過去の最低値まで、円安は90円台までという範囲です。全体で40円くらいという大きな範囲ですので、円安部分は90円を下回るあたりまで取引範囲を狭くするという選択肢もあるでしょう。

この設定の意図は、以下の通りです。

円安方向:
円安で買って、その直後に急落下して含み損が大きくなるのは避けたいです。
円高方向:
50円台は、リーマンショックでも超えられなかった為替レートです。そこで、そのあたりまで発注しておけば大丈夫だろうという予想です。

取引の範囲はかなり大きくなりますが、過去20年以上の範囲をほぼカバーできる取引設定です。自動売買のリピート系注文を発注して、後は放置でもOKというくらいになりそうです。

ただし、これは過去の為替レート推移を元に考えた案です。為替レートがこの範囲を超えて動く場合にどうする?というシミュレーションもしておきましょう。

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