通貨ペアの長期チャートとスワップ金利

トルコリラ円は長期のリピート系注文に適しているか

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トルコリラ/円(TRY/JPY)と言えば、その圧倒的に大きなスワップポイントへの注目度が大きいと思います。そこで、トルコリラ/円(TRY/JPY)は長期のリピート系注文にも適した通貨ペアかどうかを確認しましょう。

リピート系注文に適していると分かれば、高スワップを利用して良い結果を期待できそうです。

スワップポイントの大きさ

最初に、トルコリラ/円(TRY/JPY)のスワップポイントがどれほど大きいかを確認しましょう。スワップポイントの大きさはFX業者の間で異なります。そこで、くりっく365の公開データで比較しましょう。

くりっく365は公的な性質を有するFX取引市場で、20近くのFX業者で取引可能です。

くりっく365でトルコリラ/円(TRY/JPY)が取引できるようになったのは、2015年5月11日です。そこで、2015年6月1日から2016年12月までのスワップポイントの合計を比較しましょう。

比較の対象は、日本で取引量の多い人気通貨ペア5つです。1万通貨を買って保有し続けた場合に得られたスワップポイントの大きさについて、グラフ化しました。

上のグラフをご覧いただくと、トルコリラ/円(TRY/JPY)のスワップポイントは圧倒的です。高金利通貨ペアとして知られているNZドル/円(NZD/JPY)と比較して、2倍になろうかという大きさです。

豪ドル/円(AUD/JPY)と比較すると、2倍です。ポンド/円(GBP/JPY)は足元にも及ばないという表現でも良いくらいです。

また、米ドル/円(USD/JPY)と比較すると、6倍くらいの差があることが分かります。トルコリラ/円(TRY/JPY)のスワップポイントは極めて大きいことが分かります。

なお、ユーロ/円(EUR/JPY)はスワップポイントの合計値がマイナスになっています。わずかなマイナスですので、リピート系注文をするのに支障はあまりないでしょう。しかし、やはりプラスの方が望ましいです。

値動きの大きさ【ヒストリカル・ボラティリティ】

次に、トルコリラ/円(TRY/JPY)の値動きの大きさを確認しましょう。比較の対象があるほうが分かりやすいので、ここでも主要5通貨ペアの値動きと比較します。

下のグラフは、ヒストリカル・ボラティリティです。ヒストリカル・ボラティリティとは、過去の為替レートの値動きの大きさを百分率(%)であらわしたものです(調査期間:2015年6月1日~2016年12月末日)。

ここでも、トルコリラ/円(TRY/JPY)が優勝です。日本で最も取引量が多いのは米ドル/円(USD/JPY)ですが、実は米ドル/円(USD/JPY)は値動きがあまり大きくないという結果です。

リピート系注文は、大きく上下動してくれるかどうかがポイントになります。

ヒストリカル・ボラティリティが大きいということは、値動きが大きいということです。このため、トルコリラ/円(TRY/JPY)は、価格変動率の点でも、リピート系注文に適した通貨ペアだという判定になりました。

トルコリラ/円(TRY/JPY)のデメリットは?

以上の通り、トルコリラ/円(TRY/JPY)はもしかしたらリピート系注文の最強通貨ペアかも?と思わせるような状況です。

  • スワップポイントが極めて大きい
  • 値動きが極めて大きい

では、トルコリラ/円(TRY/JPY)でリピート系注文をするにあたって、デメリットや注意点はないのでしょうか。

これを確認するために、下の長期チャートをご覧ください。2005年からの様子です。

・・・残念です。トルコリラ/円(TRY/JPY)はスワップポイントが大きく、値動きも大きいのですが、全体として円高傾向です。

これが意味することは、「買いのリピート系注文をしていると、円安で買ったポジションが決済できずに残ってしまい、含み損となってしまう」ことを示しています。

為替レートが激しく動いてくれますから、何回も利食いしてくれると期待できます。しかし、最終的に含み損ポジションが残ってしまうのは面白くありません。

では、どうすればよいでしょうか。

考えられる方法のひとつは、円安水準にあるときはリピート系注文をしないという方法があります。円高になるのをじっと待って、円高になったらスタートです。そして、再び円安になったらジッと待つのです。

そのほかには、「どんなに円高になっても決して強制ロスカットにならない方法」を採用しても良いかもしれません。

その方法につきましては、別記事「トルコリラ円:強制ロスカットにならないリピート系注文」でご確認ください。

なお、上のチャートでは円高傾向ですが、値動きがいきなり変わって円安傾向になる可能性もあるでしょう。将来の相場については、誰にもわかりません。しかし、上のチャートを見て、「今後は円安に期待!」と考えて行動するのは、少々危険かもしれません。

スワップポイントと値動きのメリットを利用しながら、円高になっても大丈夫な方法を探すと、安全度が高くなるでしょう。

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