失敗パターン

FX失敗例:「専門家」の意見を尊重しすぎる

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皆様は、FXに関する情報をどのように手に入れているでしょうか。FX業者のウェブサイト、ニュースサイト、新聞、雑誌など、様々な媒体があります。

その中では、「FXの専門家」と思われる人々が活躍しています。過去から現在の為替相場を分析したり、将来の見通しを述べたりします。

ここで問題です。専門家はどれくらい信用できるでしょうか。

専門家の見通しは当たらない

メディアを賑わす数多くの専門家が、様々な意見を表明します。戦国時代の諸子百家のようです。為替相場は上がるか下がるか(または、横ばいか)しかないのですが、これほどまでに様々な意見が出るのは、とても興味深いです。

専門家というからには、様々な肩書を持っています。例えば、以下の通りです。

  • チャート分析等の資格
  • 会社内での地位(専門分析官といった具合)
  • 分析経験〇〇年
  • 〇〇大学経済学部卒など

そして、その専門家は分析をします。将来の見通しが当たることもあるでしょう。私たちから見れば、当たってもらわなければ困ります。専門家ですから、私たちよりも知識が圧倒的に豊富だと期待しているからです。

しかし、私たちの期待は見事に裏切られます。なぜでしょうか。

理由は一つでしょう。「将来の相場は、誰にも分からない」からです。そうです。誰にも分からないのです。

スーパートレーダーは、なぜ稼げる?

ここで、疑問が出てくるかもしれません。将来の相場は誰にも分からないならば、なぜスーパートレーダーは稼げるのだろう?という疑問です。

彼らは、将来を見る魔法の眼鏡を持っているわけではないでしょう。普通の人間のはずです。一般の人々と異なるのは、「特定の状況で特定の値動きになりやすい」ことを知っているというだけです。

後は、精神力と資金管理です。どれかが崩れても成功しづらいでしょう。スーパートレーダーは、素晴らしい感性に加えて、日々の努力でその地位を維持しています。

自分が勝てる相場でなければ、いつまでも待ちます(機関投資家で働く場合は、そうはいかないかもしれませんが)。彼らは、未来を見通せる水晶玉を持っているわけではないのです。

専門家の予想が高確率で正解するなら?

ここで、ある仮定をしてみましょう。

仮定:
ある専門家がいて、その専門家の相場予想は、極めて高い確率で正解を続ける。

この場合、ある疑問が出てきます。「なぜ、その専門家は、会社員として情報発信する立場を続けるのだろうか?」です。

疑問1:
予想が面白いように当たるなら、機関投資家でトレードして、年収1億円(?)を手にしたほうが良いのでは?

疑問2:
会社員をしていると、上司部下の関係、関連部署とのやり取り、外部業者とのやり取りでストレスが溜まります。これは会社員ならば仕方ありません。しかし、予想が極めて高い確率で当たるならば、会社員をやめて、自分で稼げばよいのでは?

疑問3:
予想が当たるなら、会社員としての給料を期待するよりも、相場で稼いだ方が楽なのでは?

疑問4:
あるいは、自分が会社を作って社長になり、自由にFXで稼げばいいのでは?なぜ従業員の地位にとどまっているのでしょうか。

以上の通り考えると、回答例として「彼らは予想はできても相場で稼げない」が出てきます(実際はどうなのか、本人に聞かなければ分かりませんが)。すなわち、「相場の専門家の意見を、過度に尊重してはいけない」ということです。

専門家の見通しを尊重してしまう理由

では、私たちは、なぜ専門家の予想を過度に尊重してしまうのでしょうか。それは、他の分野の専門家の影響が大きいのでは?と思います。

例えば、学校の先生です。私たちは、小中高校(及び大学)で勉強してきました。学校の先生は専門家です。数学・国語・英語など、先生がウソをつくという前提で接していません。「全て100%正解」という前提です。

教科書に書いてあることは嘘じゃないの?と疑ったりしません。疑ってしまうと、テストの点数が悪くなってしまいます。

その他、公務員は「公務の専門家」、医者は「医療の専門家」です。世の中には専門家があふれています。そして、私たちは、専門家に完璧な仕事を期待します。専門家はおおむね、その期待に応えてくれます。

相場の世界にも、その考え方を持ち込んでしまいがちです。

しかし、相場の専門家は、分析技術を持っていますが、未来を見通す魔法使いではありません。ここに、私たちユーザーの期待と現実のギャップが生まれます。

専門家の見通しとの付き合い方

では、私たちは相場の専門家とどのように付き合えば良いでしょうか。

初心者

初心者の頃は、何をどうして良いのかさっぱり分からないことも多いでしょう。この場合、専門家は役に立ちます。どのような切り口で相場を見ることができるのか、様々な材料を提供してくれます。

専門家からどんどん情報を入手しましょう。

中級

相場の雰囲気が分かり、経験も積んできたら、専門家との付き合い方を変える時期かもしれません。「自分だけのトレード」を求めて、自分で頑張るときです。

専門家の意見は参考意見として使いましょう。過去情報の分析も、可能な範囲で自分で行います。こうして、「自分で考えて意見を決める」能力を高めていきます。専門家の意見と異なる場合は、異なる理由を考え、それをどのように生かすか(または生かさないか)を考えます。

こうして、自分だけのトレード手法の確立を目指します。

上級

ここまで来たら、専門家の支援は不要でしょう。専門家の予想や考え方を見聞きすることなく、自分のスタイルで取引します。

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