失敗パターン

FX失敗例:トレードの成功を過度に期待しすぎる

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リピート系注文は、ボックス相場(レンジ相場)で最大の効果を発揮します。そこで、チャートを探すときは、主にボックス相場になっている通貨ペアを探します。

そんなとき、下の値動きを見つけたとします。米ドル/円(USD/JPY)です。トライオートFXからの引用です。

米ドル円の日足チャート

最も円高のレートは108円くらい、そして最も円安のレートは114円台ですから、だいたい6円(600銭)くらいの間でボックス相場になっています。

114円くらいで買うと、その後円高になって含み損になったら面白くありません。そこで、108円から113円の間で、20銭ごとにリピート系の買い注文を実行したとしましょう。

さて、このトレード案は期待通りにいくでしょうか。

取引を始めるにあたって、見落としがちなこと

経験がまだ浅い段階だと、取引を始めるときには、トレードが成功する場合のことを中心に考えるかもしれません。「中心に」という表現では弱いかもしれません。「勝つ場合だけ」を考えているかもしれません。

しかし、それは失敗の元です。では、上のトレード案は、どこに落とし穴があるでしょうか。

落とし穴:目の前のチャートを過度に重要視する

上のチャートでは、ローソク足と価格が表示してあります。しかし、横軸が書いてありません。敢えて削除しました。横軸も極めて重要な情報ですが、ローソク足と価格だけ見て考えるという場合はないでしょうか。

下に、横軸を追加したチャートを掲載します。2017年4月から2017年8月上旬までのチャートです。すなわち、下のチャートは日足です。

米ドル円の日足チャート

上のチャートでは、確かにボックス相場(レンジ相場)です。しかし、相場は2017年4月以前にもありました。そこで、過去のチャートも確認する必要があります。

そこで、週足チャートを確認しましょう。下の通りです。赤枠は、上の日足チャートの部分です。何が分かるでしょうか。

米ドル円の日足チャート

上の週足チャートから分かることを、いくつか列挙します。

分かること1:
過去には、日足チャート(赤枠)の上限よりも、さらに円安で推移した時期があった。
分かること2:
過去には、日足チャート(赤枠)の下限よりも、さらに円高で推移した時期があった。

赤枠の為替レートの範囲は、だいたい108円から114円台です。過去の米ドル/円(USD/JPY)は、それよりも円高の時がありました。また、それよりも円安のこともありました。

わざわざ週足チャートを持ち出さなくても、当然知っているよ!と感じるかもしれません。しかし、実際にトレードする段階になると、そのような「当然知っていること」であるはずの情報が、頭から飛んでしまうことがあります。

  • 「よし、ボックス相場見つけた!」
  • 「リピート系注文で取引するぞ!」
  • 「イケイケだ!」

こんな具合です。トレードを始めるときには、胸が高鳴っているかもしれません。そして、しばらくは期待通りに進むかもしれませんが、いつかどこかで現実の厳しさを知ることになります。

円高になった!どうする?

上の日足チャートを見て、108円から113円の間で、20銭ごとにリピート系の買い注文を仕掛けたとします。そしてその後、米ドル/円(USD/JPY)は108円をしっかり超えて円高になったとしましょう。

このとき、どうしましょうか。

選択肢は一つのはずです。すなわち、「損切り」です。

しかし、この損切りがひどく辛いことが少なくないでしょう。なぜ、ひどく辛いのでしょうか。それは、勝つ場合を過度に期待し、負ける場合を過小評価しているからでしょう。今回の設定では、損切りがありうることが当然のように想定できます。

しかし、利食いに意識が行き過ぎると、損切りする事態をすっかり忘れてしまう場合があります。

そして、実際に損切りが必要な状態になると、戸惑います。損切りしたくないのです。そこで、我慢大会と祈りの会が始まります。

  • 「今我慢すれば、そのうち円安に戻るはずだ」
  • 「ここが我慢のしどころだ」
  • 「円高に反転しろ~!(と、ディスプレイに向かって祈る)」

もはや、チャートを見た合理的な判断はどこかに消えています。いつの間にか、気合の世界になってしまいました。

教訓:損する場合の行動を常に想定する

トレードは、勝率の勝負ではありません。金額の勝負です。1勝9敗でもOK。合計金額でプラスならば良いのです。よって、100%の勝ちを期待してはいけません。常に損切りを考えなくてはなりません。

勝つためにトレードをしているのに、負けることを考えるのは辛いかもしれません。しかし、避けて通れない道です。

短期トレードの場合は特に、このレートまで来たら損切りしよう、というレートをあらかじめ決めておく必要があります。そして、損切りしたときに実現してしまう金額を見て、その額を損しても精神的に耐えられるかどうかを確認しましょう。

耐えられないと思えば、それは取引数量が過大です。取引数量を減らして、損するときのダメージを減らしましょう。

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