トルコリラ/円(TRY/JPY)で、強制ロスカットにならないリピート系注文を考察してみましょう。果たして、成功すると期待できるでしょうか。
目次(もくじ)
トルコリラ/円(TRY/JPY)の特徴
別記事「トルコリラ円は長期のリピート系注文に適しているか?」で使用したチャートをもう一度ご覧ください。2005年以降の値動きです。トルコリラ/円(TRY/JPY)は長期的に見て円高傾向だと分かります。
トルコリラ/円(TRY/JPY)が注目されている理由は、その極めて高いスワップポイントでしょう。よって、ここでは買いの注文を想定します。
しかし、いくらスワップポイントが高くても、トルコリラ/円(TRY/JPY)を買って長期的に保有すると、含み損が大きくなるのでは?と心配になります。
そこで、強制ロスカットにならないリピート系注文の出番です。例えば、こんな風にリピート系注文を発注するのです。
32.80円で買い
32.60円で買い
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1.40円で買い
1.20円で買い
1.00円で買い
0円に近い部分の発注は、トルコリラ/円(TRY/JPY)が実際に円高になってからで構わないでしょう。この設定ならば、トルコリラ/円(TRY/JPY)がゼロに近くなっても強制ロスカットにならないです。
円高による強制ロスカットと無縁の取引が可能です。
トルコリラ円の取引方法
では、このリピート系注文を実行するときの注意点を確認しましょう。
高値の発注は避ける
トルコリラ/円(TRY/JPY)は円高傾向だということは、何を意味しているでしょうか。それは、「高値で買ってしまうと、利食い決済を期待するのは難しいかもしれない」ということです。
そこで、高値でのリピート系注文の発注は避けた方が、安全度が高いでしょう。では、具体的にどこが「高値」だと言えるでしょうか。
もう一度、トルコリラ/円(TRY/JPY)のチャートをご覧ください。赤で補助線を引きました。これは長期の上値抵抗線です。
赤線まで為替レートが上昇すると、跳ね返されて円高に戻りやすいと予想できます。将来の値動きは分かりませんが、仮にこの補助線の考察が外れる場合と正解する場合を考察しましょう。
想定1:トルコリラ/円が円安に転じて上値抵抗線を超える場合
赤線よりも円安部分では買い注文がありませんので、利食いはできないでしょう。しかし、円安になる前に数多くの利食いを繰り返せますので、全ての決済が利食いとなります。増えた証拠金を使って、違う通貨ペアの取引を検討できます。
想定2: トルコリラ/円が上値抵抗線を超えられない場合
高値での注文は避けています。そこで、高値掴みで含み損に苦しむポジションを減らせます。円高に戻ったら、再びリピート系注文で利食いを繰り返します。
以上の考察から、赤の補助線よりも高値(円安)の位置でのリピート系注文は出さない方が良いと考えられます。
そして、時間の経過とともに高値の基準は円高方向に下がってきますから、円安にある注文は徐々に削除していきます。具体的には、円安のポジションが決済できたら、その注文については再度発注せずに取引終了とします。
決済できないポジションが出てしまったら?
上の対策を採用しても、決済できずに残ってしまうポジションはどうしても出てしまうでしょう。その場合、どうしましょうか。その時は、トルコリラ/円(TRY/JPY)の高いスワップポイントを活用します。
例えば、以下の通りです。
買値: 38.00円
差額: △5.00円
このようなポジションがあったとします。38円で買ったのに現在値は33円ですから、5円分も含み損があります。5円と言えば500銭ですから、かなり大きいです。チャートは円高傾向ですし、このポジションはもう救いようがないのでしょうか・・・。
いえ、そんなことはありません。
含み損とスワップポイントを比較すればOKです。含み損の大きさよりもスワップポイント獲得額の方が大きくなっていれば、合計で損していません。下に例を書きます。
スワップポイント: +6万円
合計: +1万円
この場合、含み損はとても大きいですがスワップポイントも大きいです。よって、合計でプラスです。この状態になったら、このポジションを決済しましょう。そして、円高の位置で再びリピート系注文を発注します。
この方法は、スワップポイントがとても大きいから実行できるワザでしょう。
トルコリラ/円(TRY/JPY)は円安にならないのか
以上のように考察すると、「トルコリラ/円(TRY/JPY)は円高になるんだ・・・」という感じになるかもしれません。しかし、円高一辺倒というわけではありません。下のチャートをご覧ください。
2005年から2008年までは円安傾向でした。また、2012年から2013年にかけても円安傾向でした。そこで、年単位で円安傾向になることは珍しくないでしょう。
上のチャートでは、2015年以降に円高になっています。しかし、これは2009年から2011年にかけての値動きと同じイメージかもしれません(上の緑の線)。
円安に転換する時期がやってきても、全くおかしくありません。よって、リピート系注文で対応可能だと予想できます。
どのFX口座で取引する?
最後に、最適なFX口座を確認しましょう。自動売買でトルコリラ/円(TRY/JPY)を取引できる口座は多くありません。また、円安の注文を少しずつ削除していく必要がありますから、注文一つ一つの修正に対応できることも必要です。
この条件を満たすリピート系注文は、実は3つしかありません。
- インヴァスト証券(トライオートFX)
- マネーパートナーズ(連続予約注文)
- マネースクウェア・ジャパン(トラリピ)
この3口座のうち、スプレッドとスワップポイントを比較しますと、マネーパートナーズ(FXnano口座)が圧倒的に有利です。
スプレッド
トライオートFX: 5.5銭
トラリピ: 8銭前後
スワップポイント
3位: トラリピ
リピート系注文の売買手数料
トライオートFX: 有料
トラリピ: 有料
そこで、トルコリラ/円(TRY/JPY)でリピート系注文を実行する場合は、マネーパートナーズが有力候補となるでしょう。