ボックス相場

損切り発生時の損失を抑えるリピート注文

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ボックス相場(レンジ相場)でリピート系注文の取引をする場合、もっとも困るのはロスカット(損切り)になる場合でしょう。

そこで、ロスカット時の損失額を限定的にする方法を考察しましょう。

ロスカットになるときの損失額

最初に、下の図をご覧ください。青の曲線は為替レートの動きを示します。ボックス相場(レンジ相場)になっていることが分かります。「上限」「下限」と書いてある範囲で、為替レートが動いています。

損失抑制1

そして、A点、B点、C点で買い注文を出しているとします。相場がボックス相場であるうちは良いですが、円高になると、どこかでロスカットになります。

(なお、ロスカット注文を出さなければロスカットになりませんが、それは大やけどの原因となります。そこで、どこかでロスカットすると仮定します。)

ロスカットになる場合、全ての買い注文が同じ額だけ損失を出すわけではありません。上の図の通り、ロスカットの為替レートよりも遠い位置にある買いポジションが、大きな損失になります。

これを、違う図で確認しましょう。下の通りです。ただいま、ボックス相場(レンジ相場)の範囲が500銭とします。そして、リピート系注文を10個発注しているとします。ボックス相場の下限からロスカットまでの距離は、仮に100銭としています。

下の図で、階段のようになっている一つ一つが買い注文を示します。

損失抑制2

そして、一番円安にあるポジションがロスカットになったとします。損失の大きさは下の図の黄色部分です。

損失抑制3

同様にして、残りのポジションの損失額についても色を塗りますと、下の通りになります。この黄色の大きさが損失額です。

損失抑制4

ロスカットになるときの損失を減らすとはすなわち、この黄色の面積を減らすということです。では、どのようにしたら効果的に黄色の面積を減らせるでしょうか。

ロスカットになるときの損失額を減らす

例えば、下の図のようにすると、損失額を大きく減らせます。最も円安部分に位置している注文を3個削除するのです。

損失抑制5

この例では3つの注文を削除していますが、1つや2つでも構いませんし、5つでも良いでしょう。いずれにしても、注文の数を減らせば、ロスカットになるときの損失額を減らすことができます。

なお、注文を減らすときには、「ロスカットのレートから最も遠い位置にある注文から順番に」減らしていくことがコツです。

ロスカットに最も近い注文を削除しても、1つの注文が減ります。しかし、損失額の減少にはあまり貢献しません。また、注文数を減らすということは、それだけ利食いチャンスを減らすということです。

このため、注文数の減少はなるべく抑えながら、想定される損失額を大きく減らしたいです。

上の例で、注文を減らすことにより抑制できる損失幅は以下の通りです。注文数を減らさない場合の損失幅全体を100%とします。

最も円安の注文を減らす場合: 損失額は17%減少
2番目に円安の注文を減らす場合: 15%
3番目: 14%
4番目: 12%
5番目: 11%
6番目: 9%
7番目: 8%
8番目: 6%
9番目: 5%
10番目: 3%

注文を削除するならば、ロスカットから最も遠い注文を削除すべきと分かります。

為替レートがボックス相場の上限で動く場合

損失になるときのダメージを軽減するため、上でご紹介した手法を採用したとしましょう。これで、損切り発生時の痛みが緩和されます。

しかし、困ったことが発生するかもしれません。例えば、為替レートが下の図のような動きをする場合です。

損失抑制6

為替レートはボックス相場(レンジ相場)内で動いています。しかし、赤枠部分の注文は削除しているとしましょう。この場合、思ったよりも成績が伸びないので面白くありません。

この場合、どうしましょうか。対応はいくつかあるでしょう。

対応1:あきらめる

損失リスクを低くしたので、その分だけ利食いチャンスが減るのは仕方ありません。そこで、発注した部分でしっかり利食いして、その他の部分はあきらめようという方法です。

この方法は悪くないでしょう。実際のところ、「収益を最高にしながら損失は最低に」を同時に満たすのは困難なことです。

対応2:両建て

別記事「ボックス相場(レンジ相場)の両建てリピート系注文」で検討した両建てを採用します。両建てを採用するときも、この記事で検討した損失を抑える仕組みを採用します。
そうすれば、円安のあたりで為替レートが動いても、売りのリピート系注文で決済を繰り返すことができます。

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