ボックス相場

ボックス相場(レンジ相場)で安全性と確実性重視の取引

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ボックス相場(レンジ相場)で取引するメリットは、「一定の範囲で何回も利食いを期待できる」ということでしょう。為替レートが動く範囲は限定的です。その範囲で新規約定と決済を繰り返してくれるのですから。

しかし、現実問題として、ボックス相場(レンジ相場)で取引するのは簡単ではありません。

なぜなら、第一に、ボックス相場(レンジ相場)だと判定するために時間を要すること、そして第二に、時間をかけて判定してから取引を始める結果、取引開始後まもなくボックス相場(レンジ相場)が終了してしまい、損失で終わる可能性があるからです。

ボックス相場(レンジ相場)読み方・見方

そこで、損切りになる場合のリスクを抑えながら、期待収益を大きくする方法を考察してきました。ここではその最終形「安全性・確実性を最重要視する」トレード手法を考察しましょう。

安全性・確実性重視のボックス相場(レンジ相場)攻略法

早速、安全性・確実性重視のリピート系注文を確認しましょう。下の図をご覧ください。青の曲線は為替レートの動きです。見事なボックス相場(レンジ相場)になっていると分かります。

ボックス相場

そして、Aの部分だけで売りの取引をします。逆に、Bの部分だけで買いの取引をします。これは、損失になるときの額を極限まで小さくしようという案です。以下、買い取引をする場合で考えます。

ボックス相場(レンジ相場)で買う場合、為替レートがレンジ相場を円高方向に抜けて進むと損切りになります。

仮に、Aの範囲で買っていたとしたら、損失額は大きくなります。そこで、円安部分での取引を回避し、円高部分だけで取引すれば、損切りになるときのダメージを抑えられます。

円安部分の取引をやめて、円高部分だけで買う・・・これを突き詰めていくと、上の図のB部分だけで買うというプランになります。同様に、円高で売るのをやめて円安部分だけで売るという取引を突き詰めていくと、Aだけで売るというプランになります。

この攻略法のメリット・デメリット

では、この取引手法のメリットとデメリットを考察しましょう。不思議なくらいに、メリットしかないトレード手法というのは存在しません。

メリット:損切りになるときの損失額が小さい

これはとても大きなメリットです。FXで負けてしまう唯一の原因は、損失のトレードがあるからです。その損失額を大きく減らそうというのですから、このトレード手法はかなり有望でしょう。

デメリット:取引機会が限定的になる

ボックス相場(レンジ相場)の端で売買します。このため、例えば下のような値動きをする場合、ボックス相場(レンジ相場)全体で取引する場合に比べて、利食い額が大幅に減る可能性があります。

ボックス相場

上の図では、ボックス相場(レンジ相場)になっています。しかし、レンジの上限または下限での滞在時間は短く、中盤での値動き時間が長くなっています。

こうなると、負けていませんのでOKと言えますが、ボックス相場(レンジ相場)全体に両建てで注文を張り巡らせる場合に比べて、最終結果は見劣りしてしまうかもしれません。このため、何らかの修正が必要です。

損失額を抑えながら、大きな収益を狙う

では、どのように修正すれば良いでしょうか。下の案をご覧ください。ボックス相場(レンジ相場)の一部を拡大した図です。3つの買い注文と決済注文を表したものです。

ボックス相場

損失を限定的にするために、買い注文はすべて赤の四角の中です。そして、特徴的なのは決済位置です。点A~点Cで決済します。「小さく買って小さく利食い」を繰り返すのではなく、「小さく買って大きく利食い」の繰り返しを狙います。

これができるのは、為替レートがボックス相場(レンジ相場)の範囲内で動いているという前提があるからです。

どこまで円安になるかという目途が全くない状態でしたら、為替レートが点Cに来るまで我慢するのは大変かもしれません。

なお、いつもボックス相場全体で為替レートが推移するとは限りませんから、小さい利幅で決済したり、大きな利幅で決済したりと、様々な位置で決済します。

上の図では、点Aから点Cまで、様々な位置で決済しています。本来なら、点Cで全部決済すれば利幅が大きいです。

しかし、点Aで決済した後、為替レートが点Bに到達する前に円高になってしまい、損切りになるかもしれません。この場合、全ての決済注文を点Cで出していたとしたら、利食い額はゼロ円で損失だけが残ってしまいます。

そのようなリスクを回避するために、徐々に決済しながら大きな利幅を狙います。

なお、上の考え方を究極に突き詰めると、最終的には1点買いの裁量トレードと同じになるかもしれません。

というのは、赤の四角をどんどん小さくしていくと、そのうちに買える点は1点だけになりますし、最大の利食い位置を突き詰めて考えると、C点またはそれ以上の位置に限定されてしまうからです。

しかし、1点で買うというのは、とても難しいです。そこで、ある程度の幅を持たせて、為替レートにも心にも余裕を持ちながらトレードする方が、成功確率が高くなるのでは?と予想できます。

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