取引設定例

取引設定例4:円安部分で売り注文を設定する場合

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長期のリピート系注文の設定を考察する第4回です。

過去数十年の値動き全体に買い注文を出すと、必要な証拠金が大きくなりすぎて資金効率が良くありません。しかし、円安部分で発注しないと、為替レートが実際に円安になったときにトレードできないので面白くありません。

では、どうしましょうか?

考えられる方法の一つは、「円安になったら売りで勝負してみては?」ということです。米ドル/円(USD/JPY)とNZドル/円(NZD/JPY)を使って考察してみましょう。

円高で買い注文、円安で売り注文:米ドル/円の場合

下は、米ドル/円(USD/JPY)の長期チャートです。そして、赤と緑で2つの四角を描きました。

米ドル円長期チャート

赤枠:買いのリピート系注文
緑枠:売りのリピート系注文

このように買いと売りのリピート系注文を実行すれば、円安すぎて買えない場面でも売りで取引できます。

なお、上のチャートでは売りの範囲(緑の四角の大きさ)が小さくなっています。この理由ですが、米ドル/円(USD/JPY)を売るとスワップポイントがマイナスになるからです。

リピート系注文で利食いを繰り返してくれますから、スワップポイントの損は無視できる大きさかもしれません。しかし、為替レートが全然動かないという場面があるでしょうし、スワップポイント損が毎日増えていくのは楽しくありません。

そこで、売りのリピート系注文の発注範囲を狭くしています。

売りでは、証拠金を別途準備する必要なし

なお、この方法で売りのリピート系注文を実行する場合、売り取引のための証拠金を別途準備する必要はありません。

というのは、買いのリピート系注文のために準備した証拠金を使えるからです。

大幅円安になると、買いポジションは一つもありません。しかし、FX口座には証拠金が入金してあります。口座に入ったお金は全く働かない状態ですのでもったいないです。売りのリピート系注文を実行することにより、資金の稼働率を上げることができます。

為替レートが取引範囲を超えて動く場合にどうする?

上のチャートでは、75円から145円くらいの範囲で取引するという設定になっています。

買いのリピート系注文だけの場合、円安になると約定できなくなりますが、損はありません。一方、売りのリピート系注文を設定する場合は、あまりに円安になりすぎると含み損が大きくなります。

そこで、為替レートが発注範囲を超えて動く場合にどうするか?が問題になります。円高と円安両方について考察しましょう。

大幅に円高になる場合:

大幅に円高になって取引範囲を超える場合は、少なくとも2つの方法があるでしょう。

1 損切りする
2 そのままポジションを保有する

1の損切りでも良いですが、2のポジション保有継続も有力な選択肢です。というのは、スワップポイントがプラスだからです。含み損は大きいですが、毎日のスワップポイントで我慢します。そして、再び円安になるのを待ちます。

当初の証拠金は、米ドル/円(USD/JPY)=74円まで耐えるというくらいの金額を入金しているとしましょう。この場合、どんどん円高になると厳しいのですが、そうなる前にリピート系注文で数多くの利食いを繰り返しています。

このため、利食い回数によっては70円を下回っても大丈夫という状態になるでしょう。

大幅に円安になる場合:

大幅に円安になって取引範囲を超える場合は、1の損切りが必要になるでしょう。

というのは、毎日のスワップポイントがマイナスだからです。含み損は大きくなるし、毎日のスワップポイントもマイナスという状態では、そのまま売りポジションを持ち続けるのは精神的にとても厳しいでしょう。

これらの理由もあり、売りのリピート系注文を設定する範囲を狭くすると、安全度が高くなると予想できます。

円高で買い注文、円安で売り注文:NZドル/円の場合

次に、NZドル/円(NZD/JPY)でも確認しましょう。米ドル/円(USD/JPY)と同じ考え方です。

NZDJPY長期チャート

なお、上のチャートでは緑の範囲がとても狭いように見えます。もう少し広くしてもいいな、という場合もあるでしょう。売り注文の具体的な範囲につきましては、皆様の判断に基づいて実行していただくことになります(あるいは、売りは実行しないという選択もあります)。

過去と同じ値動きが今後も続くと仮定しますと、NZドル/円(NZD/JPY)では売りの注文はあまり活躍しないように見えます。

というのは、歴史的な円安水準でさらに大きく円安になると、その後一気に円高に戻る傾向があるからです。

今後はどうなるか分かりませんが、売り注文は買い注文ほどには活躍しないのでは?という予想も可能です(しかし、約定しないでジッと待つよりは気分は良いだろうと思います)。

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