手動リピート系注文

手動リピート系注文(手動トラリピ)で利食いできる確率は?

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当サイトの手動トラリピ(=手動のリピート系注文)では、毎朝始値で買い、一定の含み益で決済するという方法を紹介しています。始値で買う必要はありません。昼でも夜でも構いません。

では、毎日始値で買って一定利幅で決済する場合、どれくらいの確率で利食いできるでしょうか。バックテストをしましたので確認しましょう(バックテストとは、過去の為替レートを使って検証することです)。

米ドル/円(USD/JPY)の場合

下の表をご覧ください。2011年1月~2016年12月において、毎日始値で買って、「利幅」の欄の含み益で決済しようとするときに、実際に決済できた確率です。スプレッドは業者ごとに異なるので、ここでは考慮していません。

なお、データは「くりっく365」から得ています(以下同じ)。

米ドル円で利食いできる確率

上の表で、当日とは1営業日、1週間は5営業日、1か月は21営業日です。こうしてみると、いくつか特徴が見えてきます。

始値で買って10銭で利食いという取引でも、当日中に決済できる確率は78%しかありません。たった10銭の上昇さえできない日がかなりの確率で存在すると分かります。さすがに、買ってから1か月経過すれば、全体の97%が決済できます。

残り3%は利食いできずにポジションが残り続けることになります。再び円安になって利食いできる日を待ちます。その間、スワップポイントをゆっくり確保します。

上の表をグラフにしてみました。こちらの方がイメージしやすいでしょう。横軸は利幅、縦軸は利食いできる確率です。

米ドル円での利食い確率

なお、ここで紹介しています手動のリピート系注文は、自動取引の長期リピート系注文と同様、損切りを想定しないで利食いできる日を延々と待ちます。

そう考えると、10銭で利食いするのは少々もったいないかもしれません。

例えば、50銭で利食いするという場合、1か月後に利食いできる確率は83%です。17%は決済できずに残りますが、それは決済できるまで持ち続けます。10銭で利食いする場合は圧倒的に高確率で利食いできますが、1回の利食いで得られる額は10銭です。

50銭で利食いする場合、獲得額は10銭の5倍です。少々利食い確率が低くても、実現損益は50銭の方が圧倒的に大きいと予想できます。

決済できないポジションの数を減らす方法

では、あるポジションがずっと決済できずに、延々と時間が過ぎてしまう場合はどうしましょうか?

この場合もやはり、いつか決済できる日を待ち続けることになります。しかし、決済できないポジションが積み上がってくると、利食いを繰り返しているとはいえ含み損が厳しくなってくるかもしれません。

この状況を回避するために、「円安の時には手動トラリピを実行しない」という対策があります。円安の時に買うのをやめれば、延々と決済できないで待ち続けるポジションの数を減らせるでしょう。

その他の通貨ペアの場合

それでは、同じバックテストを他の主要4通貨ペアでも実施しましたので、確認しましょう。以下の通りです。まずは、軽くスクロールして下に進んでください。

ユーロ円で利食いできる確率

ポンド円で利食いできる確率

豪ドル円で利食いできる確率

NZドル円で利食いできる確率

こうしてみると、どの通貨ペアも同じような傾向にあると分かります。その差が良く分かりません。しかし、一般的な傾向は分かります。以下の通りです。

  • 利幅を大きくすると、利食いできる確率が小さくなる
  • 1か月待てば、多くのポジションで決済できる
  • 10銭の利幅でも、1か月以内の利食い確率が100%というわけではない

そこで、通貨ペアごとに決済のしやすさを比較できるグラフをご覧ください。下のグラフは、通貨ペア別でなく期間別のグラフです。

通貨ペア比較1

通貨ペア比較2

通貨ペア比較3

グラフを見ますと、やはり値動きが大きいポンド/円(GBP/JPY)が、利食いできる確率が高くなります。しかし、1か月の間に利食いできる確率で比較しますと、通貨ペア間の差はあまりないことが分かります。

とはいえ、米ドル/円(USD/JPY)の確率が少し低いのが気になります。当サイトで検証している手動トラリピの場合、米ドル/円(USD/JPY)は避けた方が無難な可能性があります。

また、時間はかかっても最終的に決済できれば可というトレードをする場合、スワップポイントの大きさがかなり重要になってきます。

スワップポイントを重視するならば、豪ドル/円(AUD/JPY)やNZドル/円(NZD/JPY)あたりが候補になってくるでしょう。

利食い幅は何銭にすべき?

では、1日1回発注するというリピート系注文を実行する場合、利食い幅は何銭がベストでしょうか。

1営業日(当日)のうちに決済したいなら、利幅を狭くする必要があります。しかし、いくら狭くしても100%にはなりません。また、利幅を小さくすると日々の収益額が小さくなります。

利幅100銭と利幅10銭を比較すると、利幅10銭で10日間頑張って、ようやく100銭の利食い1回と同じになります。

というわけで、1か月以内に利食いできる確率はできるだけ高く、そして、利幅はなるべく大きくしたいです。・・・この矛盾する2つのバランスを取ろうと考えると、利幅は50銭前後がいいのかな?という感じがします。

もちろん、100銭の方が利幅は大きいです。50銭の2倍もあります。ただ、1か月経過しても利食いできないで残り続けるポジションの率が少々高いかな、という気がします。

とはいえ、50銭の場合に比べて10%台の違いしかありませんので、どの利幅を選択すべきかというのは、実際に取引する人の好みが大きく影響するでしょう。

なお、円安の時に買わないという以外に、決済できずに含み損となるポジションを減らす工夫が一つあります。別記事「手動トラリピで円高リスクを抑える手法」でご確認ください。

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