高金利通貨ペアの代表格であるNZドル/円(NZD/JPY)ですが、どれくらいの人がトレードしているでしょうか。オセアニア通貨と言えば豪ドル/円(AUD/JPY)の方が有名かもしれません。
しかし、NZドル/円(NZD/JPY)も魅力いっぱいです。そこで、値動きの大きさの特徴を確認しましょう。
目次(もくじ)
NZドル/円(NZD/JPY)の長期チャート
下のチャートをご覧ください。2011年1月から2016年12月までのニュージーランドドル/円(NZD/JPY)の長期チャートです。
上のチャートを見て、何が分かるでしょうか。いくつもあるでしょうが、60円弱から90円強の間で動いているということがあるでしょう。その差、わずか30円くらいです。
同期間のポンド/円(GBP/JPY)の高値と安値の差は、70円くらいです。よって、NZドル/円(NZD/JPY)はその半分くらいだということになります。
また、2015年からの円高トレンドでは、米ドル/円(USD/JPY)など他の通貨ペアに比べて下落幅が小さいように見えます。上のチャートを見ると、下落幅はおよそ15円くらいでしょうか。
値動きが意外に小さいということは、買って持つというトレード手法(スワップ派)が有効かもしれません。NZドル/円(NZD/JPY)はスワップポイントが大きいですから、毎日の金利収入を期待するのです。
スワップ派は、為替レートの上下動を読む裁量取引と異なり、毎日コツコツと貯める手法です。そして、円安になってから決済すれば、大きなスワップポイントと為替差益の両方を獲得できます。
では、そのようなNZドル/円(NZD/JPY)は、リピート系注文で有効に取引可能でしょうか。それを調べるために、1日当たりの値動きの大きさを確認しましょう(以下、調査期間は上のチャートと同じです)。
NZドル/円(NZD/JPY)の1日の値動きの大きさ
下のグラフは、NZドル/円(NZD/JPY)の1日の値動きの大きさを年別に表示したものです。値動きの大きさは、日足の高値と安値の差にしています。
NZドル/円(NZD/JPY)は、1日におよそ80銭~110銭くらい動くと分かります。平均で100銭弱でした。これは、もちろんポンド/円(GBP/JPY)等に比べれば小さな数字ですが、とても大きいと評価できます。
というのは、この期間のNZドル/円(NZD/JPY)の為替レートは60円~90円くらいだったからです。一方のポンド/円(GBP/JPY)は、120円~190円くらいでした。
すなわち、NZドル/円(NZD/JPY)の為替レートは、ポンド/円(GBP/JPY)の半分くらいしかありませんでした。
為替レート水準はとても低いのに、1日の値動きは米ドル/円(USD/JPY)などと肩を並べる数字です。すなわち、NZドル/円(NZD/JPY)は値動きが大きいと評価できます。
NZドル/円(NZD/JPY)はリピート系注文にピッタリの通貨ペアかもしれません。次に、年間の高低差を確認しましょう。
NZドル/円(NZD/JPY)の年間高低差
NZドル/円(NZD/JPY)の年間高低差(年間高値と年間安値の差)は、下のグラフの通りです。
2016年は激動の世界情勢でした。他の通貨ペアでは大きな値動きが出ていました。しかし、NZドル/円(NZD/JPY)は様相が違います。2016年は他の年とあまり変わりません。とても興味深い結果です。
また、2015年は大きな値動きでしたが、全体として平均15円弱の値動きでした。NZドル/円(NZD/JPY)は1年で15円くらい動くんだな、とあらかじめ予想できるのは、トレード管理をするうえで役立つでしょう。
NZドル/円(NZD/JPY)のヒストリカル・ボラティリティ
では、ヒストリカル・ボラティリティを確認しましょう。ヒストリカル・ボラティリティとは、過去の為替レートのデータを用いて、価格変動率(ボラティリティ)を計測したものです。
率(%)で計算しますから、値動きの大きさ(銭)で計測するのとは異なった側面が分かります。
上のグラフを見ますと、NZドル/円(NZD/JPY)のヒストリカル・ボラティリティはかなり大きいと分かります。10%を下回ったのは1回しかありません。比較のために米ドル/円(USD/JPY)を確認しますと、10%を下回ることが多いです。
ヒストリカル・ボラティリティが大きいということは、為替レート水準に比べて値動きが大きいということです。
- 価格水準が低い(60円~90円くらい):取引に必要な証拠金が少なくて済む
- 値動きが大きい:リピート系注文で数多くの約定が期待できる
以上のことから、NZドル/円(NZD/JPY)はリピート系注文に適した通貨ペアだと言えそうです。