トラリピは、為替レートが上下動する限り自動売買を繰り返してくれます。そして、利幅はいつも一定です。
トラリピで改善したい点
しかし、下のような相場だと、いつも一定の利幅で利食いするのはもったいないかもしれません。
左下の青丸で買いました。そして、期待通りに上昇して決済しました。利幅はAです。しかし、その後も上昇トレンドが継続しました。仮に、右側の赤丸のところで決済していたならば、利幅はBとなります。Aよりもかなり大きいです。
実際に決済して得たのはAの幅です。利食いしているのですから満足しても良いはずです。しかし、「Bまで頑張れば、もっと大きな利幅があったな」と考えてしまうのが人情です。
この利食いを実現してくれる機能がトラリピに搭載されています。「決済トレール」です。そこで、この機能を詳しく確認しましょう。
決済トレールとは
「決済トレール」の名前の中にある「トレール」ですが、FXの注文手法のひとつである「トレーリングストップ」や「トレール注文」で使われているトレールと同じ意味です。日本語にしますと「追いかける」という意味になります。
下の図を見ながら、「決済トレール」の意味と、利幅を大きくできる仕組みを確認しましょう。
左下の「買い」で買ったとします。そして、すぐ上の「売り1」で決済するのが通常のトラリピです。しかし、為替レートが「売り1」に到達してもまだ決済しません。
為替レートがさらに上昇して「トリガー1」まで来たら、「売り1」での決済注文が有効となります。
さらに為替レートが上昇して「トリガー2」まで来たら、売り1の注文は削除され、新たにトリガー1での決済注文が有効になります。すなわち、売り1とトリガー1の間の距離だけ利幅が広がったということになります。
以下繰り返しです。為替レートがトリガー3まで来たら、トリガー1に出していた決済注文が削除され、新たにトリガー2での決済注文が有効となります。
そして、為替レートはいつか反転します。上の図では、為替レートがトリガー3まで到達した後に反落し、トリガー2の部分で決済している様子を描いています。当初の売り1で決済するよりも利幅が大きくなっていることが分かります。
決済した後は、再び左端の「買い」と同じレートで買い注文を出します。
「決済トレール」を使うと、トレンド相場において成功を期待できます。なお、トリガーとトリガーの間の距離は20銭で固定されています。トリガー間の距離を自分で決める必要はありません。
決済トレールの発注方法
この決済トレールを有効にするための方法は、極めて簡単です。下の画像の通りにすればOKです。1か所にクリックするだけです(M2Jホームページから引用)。
決済トレールのデメリット
決済トレールは、トレンド相場において大きな武器となるでしょう。しかし、期待通りに機能しない場合があります。その状況を確認しましょう。
上の図はボックス相場です。青で買い、赤で決済しています。とても順調です。この相場で決済トレールを使うとしましょう。
決済トレールを使う場合、為替レートが赤丸に到達しても決済しません。その上の白丸(トリガーと書いてある部分)に為替レートが到達しないと、赤丸の決済注文は有効になりません。
すなわち、通常のトラリピだったら、どんどん決済を繰り返してくれる最高の相場なのに、決済トレールを使ったために一度も決済しないという失敗になってしまいます。
では、この失敗を回避しつつ、決済トレールのメリットを生かすには、どうしたらよいでしょうか。
その対策(案)のひとつとして、通常のトラリピと決済トレールを混ぜて使うことがあります。例えば、下の例のような感じでトラリピを設定するのです。
110.00円で買い、110.50円で決済(通常トラリピ)
109.75円で買い、110.25円で決済(決済トレール)
109.50円で買い、110.00円で決済(通常トラリピ)
109.25円で買い、109.75円で決済(決済トレール)
109.00円で買い、109.50円で決済(通常トラリピ)
108.75円で買い、109.25円で決済(決済トレール)
108.50円で買い、109.00円で決済(通常トラリピ)
上の例では、通常のトラリピと決済トレールを交互に使っています。こうすれば、ボックス相場の時には通常トラリピを中心に活躍し、大きなトレンドの時には決済トレールが中心になって活躍すると期待できます。
決済トレールを使うべき為替レートの位置
もう一つ、決済トレールを使うにあたって考えたいことがあります。それは、「どの為替レートで使うか」です。
例えば、長期的に見て下のような値動きをする通貨ペアがあったとします。この通貨ペアで、買いのトラリピで勝負しようと考えたとします。A点とB点の両方で決済トレールを使っても良いでしょうか。
将来の為替レートは、どのように動くか分かりません。このため、今後も上昇トレンドが続くと考えるならば、どこで決済トレールを使っても良いでしょう。
しかし、過去の為替レートの推移を重視するなら、A点で決済トレールを使うべきでしょうし、B点での利用は控えるほうが良いでしょう。
というのは、B点で決済トレールを使って買っても、為替レートがさらに大きく上昇する見込みが薄いからです。
円売りでトラリピを仕掛ける場合は、なるべく円高の場面で決済トレールを使うほうが有効だろうと考えられます。
決済トレールのまとめ
以上の内容を簡潔にまとめましょう。
- 決済トレールは、トレンド相場で有効。
- しかし、小さなボックス相場(レンジ相場)では有効でない可能性がある。
- そこで、通常のトラリピと決済トレールを混ぜると良いと予想できる。
- なるべく円高の位置で決済トレールを使いたい(買いの場合)。
他社にはないM2J独特の機能です。有効に使いましょう。