ループイフダン、トラッキングトレードそしてiサイクル注文は、それぞれ異なるFX業者から提供されています。
- ループイフダン:アイネット証券
- トラッキングトレード:FXブロードネット
- iサイクル注文:外為オンライン
しかし、この3つのサービスは極めて似ています。その最も大きな類似点のひとつは「相場に合わせて取引範囲を自動で変更する機能」です。
そこで、この機能について確認するとともに、この機能を最大限に有効に使う方法を検討しましょう。
自動追尾機能
では、取引範囲が相場を追いかける様子を、図で確認しましょう。ここでは、買いで取引していると想定します(売りの場合は上下逆にしてください)。
円安になるときの自動追尾機能
下の図はFXブロードネットからの引用です。一番左に黄色い破線の四角があり、「自動発注」と書いてあるのが分かります。このように、取引範囲をあらかじめ決めておきます。
しかし、為替レートは変幻自在に変化します。いつまでも設定した取引範囲の中にいてくれるわけではありません。上の図は、為替レートが円安方向に動いている様子を描いています。すると、取引範囲も自動で円安に位置を変えている様子が分かります。
この仕組みは以下の通りです。
- 最も円安のポジションを利食い決済すると、ポジション数がゼロになる
- すると、即座に新規買いをする
- 同時に、最も円高に位置している注文を削除する
設定した取引範囲の中で最も円安の注文が決済されると、全てのポジションが決済されたことになります。さらに円安が進んでしまうと、取引範囲を超えてしまいます。そのままではもう取引不可能となってしまいます。
そこで、最も円安の注文が決済された時点で、新規に買うのです。設定した取引範囲を超えて買うことになります。
そのままでは、設定範囲が広くなってしまいます。そこで、最も円高の注文を一つ削除します。こうすることで、注文範囲全体を円安方向に押し上げます。
これを図にすると、下の通りです。
左側では、買いの取引範囲に3つの注文があります。今、最も円安の注文が赤丸の位置で決済されました。これよりも円安に進んでしまうと、全く取引できません。
そこで、右側の図で、決済と同時に新規に買っている様子が分かります。ただし、このままでは買い注文が4つになってしまいます。
そこで、最も円高にある注文を削除することにより、注文数が3つになるようにしています。結果として、取引範囲(点線の枠)が円安方向に動いていることが分かります。
円高になるときの自動追尾機能
円高になるときの自動追尾機能は、円安の反対です。アイネット証券から引用した図で確認しましょう。
取引範囲を超えて円高になると、最も円安にあるポジションが損切りになります。そして、新規に一つ買います。さらに、注文の数を一定数で維持するために、最も円安の注文を削除します。
上の図はこの様子を描いています。
この「損切り&新規買い」を見て感じることは、「ずっと円高が続いたら、損切りもずっと続くよね?」ということです。
そのとおりです。円高になり続ける場合、このトレード手法では損になる可能性があります。
では、これらのトレード手法はどの程度有効なのでしょうか。為替レートの動きを場合分けして考察してみましょう。
ループイフダン、トラッキングトレードそしてiサイクル注文は有効か?
ここで、ループイフダン、トラッキングトレードそしてiサイクル注文の有効性を確認しましょう。比較の対象があると分かりやすいので、「買って、決済する」という裁量トレードを先に確認します。
下の図の通りです。
青丸部分で買いました。その後、為替レートが急上昇したら利食いできます。緩やかに上昇してもOKです。ボックス相場の場合は、スワップポイントの影響も考える必要があるかもしれません。利食いできるか損になるか不明です。三角としました。
そして、下落と急落の場合は損切りでしょう。
以上の5パターンをまとめると、以下の通りです。裁量取引で利食いできるかどうか。それは相場予測がとても重要になるかもしれません。
- 証拠金増: 2
- 勝敗不明: 1
- 敗北: 2
次に、ループイフダン、トラッキングトレードそしてiサイクル注文についても同様に検討しましょう。以下の通りです。
円安になる2パターンでは、利食いできますからOK。ボックス相場も利食いできます。為替レートが上下動すればするほど利食いできますから、ボックス相場は最高の展開かもしれません。
そして、緩やかな下落でも最終的にプラスの成績になる可能性があります。というのは、円高ですから損切りになるポジションが出るかもしれませんが、為替レートの上下動で利食いもするからです。この検討で勝敗を決めるのは難しいです。三角としましょう。
そして、急落はもちろん損切りでしょう。買っているのに急落したら損です。
まとめますと、以下の通りです。5パターンのうち、3パターンがOKで1つが負けです。
- 証拠金増: 3
- 勝敗不明: 1
- 敗北: 1
先に検討しました「買って、決済」という通常のトレードとは大きく異なると分かります。「買って、決済」という裁量トレードの場合は以下の通りでした。
証拠金増: 2
勝敗不明: 1
敗北: 2
どちらで取引したいでしょうか。それはもちろん、証拠金が増える可能性が高いほうです。以上の簡単な検証を見ると、ループイフダン、トラッキングトレードそしてiサイクル注文は有効だと分かります。
予想が外れても、最終的に証拠金が増える可能性があるというのが、うれしいです。
ただし、無理は禁物です。買っているけれど円高だ!という場合は、取引を終了する方が良いかもしれません。