南アランド/円(ZAR/JPY)と言えば、高金利通貨ペアの代名詞のような存在です。近年はトルコリラ/円(TRY/JPY)も高金利通貨ペアとして注目を集めていますが、南アランド/円(ZAR/JPY)も負けていません。
また、日本で広く取引されている通貨の中では唯一、アフリカの通貨であるという特徴もあります。
そのような南アランド/円(ZAR/JPY)は、リピート系注文に適した通貨ペアでしょうか。確認しましょう。
南アランド/円(ZAR/JPY)のスワップポイント
最初はやはり、スワップポイントの大きさから確認しましょう。比較対象として、米ドル/円(USD/JPY)など主要5通貨ペアを使います。また、スワップポイントの大きさはFX口座ごとに異なりますので、「くりっく365」のデータを使用します。
くりっく365で南アランド/円(ZAR/JPY)が取引できるようになったのは、2008年11月です。そこで、2009年1月から2016年10月末まで1ロットを買って持ち続けた場合のスワップポイント合計額を比較しましょう。
・南アランド/円(ZAR/JPY):10万通貨
・その他の通貨ペア:1万通貨
こうしてみると、南アランド/円(ZAR/JPY)の圧勝です。
なお、くりっく365では、南アランド/円(ZAR/JPY)は10万通貨単位の取引です。そこで、このグラフも10万通貨にしています。その他の通貨ペアは1万通貨ですから、比較としては今一つかもしれません。
しかし、米ドル/円(USD/JPY)などの為替レートは100円前後なのに対し、南アランド/円(ZAR/JPY)は6円や8円といった数字です。南アランド/円(ZAR/JPY)を10万通貨にすることは、比較するうえではちょうど良いということになります。
そういう前提を含めて考えても、やはり南アランド/円(ZAR/JPY)のスワップポイントは圧倒的だ!と分かります。
では、トルコリラ/円(TRY/JPY)と比較したら?・・・どうなるでしょうか。
くりっく365でトルコリラ/円(TRY/JPY)が取引できるようになったのは、2015年5月です。そこで、2015年6月~2016年12月のスワップポイント合計で比較しました。下のグラフの通りです。
こうしてみますと、南アランド/円(ZAR/JPY)はトルコリラ/円(TRY/JPY)よりも大きいという結果です。トルコリラ/円(TRY/JPY)は1万通貨単位の取引で、為替レート水準は30円~40円くらいです。
為替レート水準を勘案すると、両者ともスワップポイントが大きいと分かります。
南アランド/円(ZAR/JPY)の値動きの大きさ
では、南アランド/円(ZAR/JPY)の値動きの大きさはどうでしょうか。リピート系注文は値動きが大きければ大きいほど有利です。
2009年1月から2016年12月までについて、日足の高値と安値の差の平均値を調べたところ、20銭でした。
すなわち、南アランド/円(ZAR/JPY)は、平均的に見て1日20銭くらい動くということになります。
この数字は、米ドル/円(USD/JPY)など他の通貨ペアに比べて圧倒的に小さい数字です。豪ドル/円(AUD/JPY)など値動きが大きい通貨ペアは、1日平均で100銭を超えます。
しかし、これをもって南アランド/円(ZAR/JPY)の値動きが小さいと判断するのは誤りでしょう。なぜなら、南アランド/円(ZAR/JPY)の為替レート水準はとても小さいからです。そこで、この期間の為替レートの平均値を計算しました。10.1円でした。
為替レートの平均値:10.1円
1日の値動き:20銭
すなわち、南アランド/円(ZAR/JPY)は、1日で2%くらい動いているということになります。仮に、米ドル/円(USD/JPY)が100円だとすると、1日の値動きが平均で200銭だということです。
米ドル/円(USD/JPY)の値動きはそんなに大きくありません。90銭前後です。為替レート水準を勘案しますと、南アランド/円(ZAR/JPY)の値動きは極めて大きいと評価できます。
南アランド/円(ZAR/JPY)の注意点は?
南アランド/円(ZAR/JPY)は、スワップポイントが大きくて値動きも極めて大きいという、リピート系注文にとって優秀な特徴を持っていることが分かりました。
では、注意点は何でしょうか。これを考えるために、下のグラフをご覧ください。2005年以降の長期チャートです。
緩やかながら円高傾向なのが気になります。2012年から2015年あたりはアベノミクス相場で円安になったはずですが、それは米ドル/円(USD/JPY)など主要通貨ペアに限った話だったようです。
南アランド/円(ZAR/JPY)には、アベノミクス相場の恩恵はあまりなかったように見えます。では、南アランド/円(ZAR/JPY)で長期のリピート系注文をするのはリスクが高いでしょうか。
一概にそうとも言えないでしょう。
というのは、ボックス相場(レンジ相場)の期間が長いからです。リピート系注文はボックス相場を得意とします。上のチャートをご覧いただくと、ボックス相場(レンジ相場)になっている期間が年単位だと分かります。
円高方向に進んだら損切りするとしても、損切りまでに数多くの利食いを繰り返してくれるでしょう。損益合計でプラスを期待できます。スワップポイントも極めて大きいですし。
また、損切りは嫌だという場合は、どんなに円高になっても決して強制ロスカットにならない手法の採用も検討できます。この手法の詳細は、「南アランド円:強制ロスカットにならないリピート系注文」で紹介しています。ぜひご確認ください。