ボックス相場

レンジ相場全体に発注するリピート系注文

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ボックス相場(レンジ相場)でリピート系注文を発注する場合、どのような方法が考えられるでしょうか。その方法や効果を考察しましょう。

ボックス相場(レンジ相場)全体に発注する

今、目の前にボックス相場(レンジ相場)のチャートがあるとします。下のイメージ図の通りです。上値抵抗線と下値支持線の間の広さを、仮に5円(500銭)としましょう。

ボックス相場1

このボックス相場でリピート系注文を発注するとしましょう。最もオーソドックスな例として、下の赤線の部分に買い注文を出す例を考えます。50銭ごとに10本の線が引いてあります。

また、それぞれの買い注文につき、50銭の含み益になったら決済するとしましょう。

ボックス相場2

この発注をするとき、為替レートがいつまでもボックス相場内で動いてくれれば最高です。自動取引のシステムトレードですから、毎日のように約定することが期待できます。

しかし、残念ながらボックス相場はいつか終わります。下の図の通りです。円安方向に進んでくれれば、完全勝利です。決済はすべてプラスの成績となり、損失の決済は1つもありません。最高です。

ボックス相場3

しかし、赤の破線のように動いてしまう場合は、残念ですがどこかでロスカットしなければならないでしょう。

ロスカットしないで我慢すると、円高方向にトレンドができた時に大変なことになります。傷口が広がる前に決済する必要があります。

とはいえ、為替レートがボックス相場内で動く間に、数多くの決済ができます。そこで、最終的に損切りとなっても、合計でプラスの成績となる可能性は十分あります。これがリピート系注文のメリットの一つです。

最終的に損切りで終わっているのに、証拠金は増えている・・・素晴らしいです。

では、何回利食い決済すれば、最終的にロスカットで終了してもプラスの成績で終えられるでしょうか。試算してみましょう。

ロスカットになっても、最終損益がプラスになる利食い回数

上で考察した例を使って、損益を計算しましょう。

(1)利食いの決済:

1取引につき1,000通貨買えば、決済するたびに500円獲得できます。

(2)損切りの決済:

買い注文の位置は10か所ありますので、それぞれについて損失額を計算する必要があります。1取引につき1,000通貨を買って、ボックス相場(レンジ相場)の下値支持線から100銭円高になったら全ポジションを損切りするとしましょう。

下の図でいえば、ボックス相場の下限(破線部分)と、一番下の緑の線の間の距離が100銭ということです。

ボックス相場3

全ての買い注文が成立した後に、損切りになるとします。このときの損失額は合計で32,500円となります。意外に大きな損失額ではないでしょうか。

最も円高に位置している買い注文がロスカットになるとき、損失額は1,000円です。そして、最も遠くにある(最も円安の位置にある)買い注文がロスカットになるときの損失額は5,500円になります。

10本の注文がありますから、それぞれの損失額を合計すると、32,500円となります。

一方、1回の利益確定決済で得られるのは、500円です。すなわち、最終的にロスカットになっても損しないという状態にするには、65回の決済が必要となります。

500(円)×65(回)=32,500(円)

65回という数字は、かなり多いのではないでしょうか。1回の利食いをするためには50銭の含み益が必要です。1日に何回も利食いできるときもあるでしょうが、1回も利食いできない日もあるでしょう。

そこで、1日1回利食いできると仮定します。

1か月間の営業日数は21日くらいです。そして、65回の利食いが必要です。3か月以上ボックス相場が続けば、最終的に損切りになってもプラスで終了できるということになります。

しかし、3か月は長すぎる期間ではないでしょうか。

トレンド状態のチャートを見て「今からボックス相場になる!」と読むのは至難の業ですから、しばらくボックス相場が続いた後で、ようやくボックス相場だと確認できるでしょう。

すなわち、ボックス相場を狙って取引するためには、為替レートの動きがボックス相場になっていることを確認しなければなりません。

ということは、取引を開始してから少なくとも3ヵ月間に加えて、取引を開始する前にもボックス相場になっている期間が必要ということになります。

レンジ相場全体に買い注文をだすとき(まとめ)

以上の考察から、ボックス相場(レンジ相場)全体に買い注文を仕掛けて、最終的にプラスで終えるためには、以下のいずれかの状態になることが必要でしょう。

その1: 為替レートがボックス相場を離れて、円安方向に進む
その2: 為替レートがボックス相場内にあり、成績がプラスのうちに、取引を終える
その3: ロスカットになっても利食いとの合計でプラスになるよう、利食いを繰り返す

このうち、その3はかなり難しい条件だと分かります。そこで、その1またはその2で取引を終える必要があります。しかし、買いのリピート系注文を実行するときに、最終的に円高で終わってはいけないというのは、かなり緊張感のあるトレードです。

そこで、この基本形の取引設定を修正して、最終的に損切りになってもプラスになりやすい設定を考察しましょう。

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