通貨ペアの長期チャートとスワップ金利

ポンド円の長期チャートとスワップポイントの特徴

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ポンド/円(GBP/JPY)の特徴と言えば、かつては以下の3つだったかもしれません。

  • 値動きが大きい
  • トレンドができやすい
  • 高金利通貨ペアである

今では、「高金利通貨ペアである」が当てはまらないかもしれません。そこで、ポンド/円(GBP/JPY)の長期的な特徴はどうなっているのか、確認しましょう。

ポンド/円(GBP/JPY)のスワップポイント

最初に、ポンド/円(GBP/JPY)のスワップポイントの傾向を調べましょう。スワップポイントの大きさはFX口座ごとに異なりますので、政策金利で代用して考えます。

イギリスの政策金利から日本の政策金利を引いた値が、ポンド/円(GBP/JPY)のスワップポイントの大きさと概ね比例します。

上のグラフを見ますと、2008年後半を境として金利情勢が全く変わってしまったと分かります。日本はずっと地を這うような金利ですが、イギリスは大きく異なります。

2008年まで:高金利通貨
2009年以降:低金利通貨

しかし、日本との比較でいえば、イギリスの政策金利の方が依然として高いと言えます。このため、ポンド/円(GBP/JPY)を買って保有すれば、おおむねプラスのスワップポイントを受け取ることができたでしょう。

ちなみに、リーマンショックが起きた2008年よりも前、2007年のスワップポイントを「くりっく365」で確認しますと、1万通貨当たり300円台前半です。

1万通貨買って持つだけで、毎月1万円獲得できていたということになります。1年で12万円です。10万通貨なら毎月10万円ですから、1年で120万円です。大変な額です。

さて、そのような高金利の時代は2008年で終了しました。2009年以降はどうだったでしょうか。下のグラフをご覧ください。くりっく365でポンド/円(GBP/JPY)を1万通貨保有した場合の、1年あたりのスワップポイント推移です。

2008年までは1年で10万円を超えるスワップポイントでしたが、2009年以降は1万円に満たない額となりました。

しかし、マイナスでないというのが重要です。リピート系注文は繰り返し利食いすることで収益を獲得するのがメインですから、スワップポイントは脇役です。しかし、スワップポイントは毎日発生する損益ですから、プラスの方が望ましいです。

ポンド/円(GBP/JPY)の値動きの特徴

次に、ポンド/円(GBP/JPY)の長期的な値動きの特徴を確認しましょう。下のチャートは、1996年以降のチャートです。どんな特徴があるでしょうか。

ポンド/円(GBP/JPY)の特徴として、「ひとたびトレンドができると、数年以上にわたって、100円近い値動きをすることがある」と言えそうです。

下に、トレンドの矢印を描きました。20円ごとに目盛線を引いていますから、いかに大きな値動きをするかが良く分かります。しかも、数年にわたってトレンドが継続しています。

トレンドと逆方向に取引してしまった場合は、頑張らないで損切りすべきでしょう。

では、このように値動きの大きなポンド/円(GBP/JPY)で長期のリピート系注文を実行する場合、どのように取引すれば良いでしょうか。

どの範囲でリピート系注文を設定すればよいか?

例えば、上のチャート全体に注文を発注すると仮定してみましょう。すなわち、120円から240円までの範囲で、以下のリピート系注文を実行します。

注文範囲: 120円から240円まで
売買: 買い
1注文の取引数量: 1,000通貨
注文値幅: 100銭(100銭ごとに発注)
損切りレート: 115円

この場合、必要な資金は900万円弱となります。100銭ごとに1,000通貨の発注という、一見すると穏やかな設定なのに、900万円弱も必要というのは大変なことです。

そこで、取引範囲を見直す必要があります。下がその例です。

赤の四角部分で注文を出します。最も円安のレートは160円弱にしてみました。というのは、ポンド/円(GBP/JPY)は160円あたりに相場の壁があるように見えるためです(矢印部分)。

矢印部分まで為替レートがやってくると、値動きが鈍ったり、反発したりする様子が分かります。

また、イギリスはEUからの離脱が見込まれています。これがポンド/円(GBP/JPY)相場にどのように影響するのか、長期的に見通すのは困難です。そこで、円安部分の買い注文を削除した設定です。

仮に、120円~160円で買い注文を出し、損切りを115円とする場合、必要な証拠金は130万円弱となります。

まだ大きな額だと言えるでしょうが、240円の円安まで注文を出す場合に比べれば、必要な証拠金は格段に減少したといえるでしょう。

なお、為替レートが予想以上に円安になり、160円を再び超えて遠くへ行ってしまう場合はどうしましょうか。これは相場見通しにもよります。今後も円安が続くという見通しを持つならば、買い注文の範囲を広げても良いでしょう(必要な証拠金額に注意)。

あるいは、別の通貨ペアに乗り換えても良いでしょう。通貨ペアはいくつもありますから、ポンド/円(GBP/JPY)だけに集中する必要はありません。

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