リピート系注文のメリットは、自動で取引を繰り返してくれることでしょう。インジケーターを使う必要がありませんから、かなり楽です。
では、このリピート系注文が最も強力に活躍できる時間軸はどれでしょうか。米ドル/円(USD/JPY)を例にして、長期から短期にかけて順に確認していきましょう。
超長期のリピート系注文
下は、米ドル/円(USD/JPY)の長期チャートです。1996年以降ですから、超長期チャートという表現でも良いでしょう。
長期チャートで取引する方法につきましては、「長期トレード」のカテゴリで詳細に検討しています。米ドル/円(USD/JPY)でしたら、極端な話、75円~145円全体でリピート系注文を出してもOKです。
過去の値動き全体に発注しておけば、為替レートの動きを読んだり考えたりする必要がぐっと減ります。自動取引のメリットを最大限に生かせるでしょう。
しかし、それでは資金効率が今一つかもしれません。そこで、トレンドを読んで取引するとしましょう。
この場合、下の矢印のイメージで取引可能です。
売りの場合はスワップポイントのマイナスが気になるかもしれませんが、赤矢印のように相場を読めるならば、スワップポイントの損失をはるかに上回る利食いができるでしょう。
そして、赤の矢印の期間をそれぞれ確認しますと、だいたい2年~3年といったところでしょうか。
上昇トレンドや下落トレンドを把握するために、一定の期間が必要です。そこで、赤の矢印全体で取引するのは難しいかもしれません。しかし、トレンドができて数か月経過してから取引を開始しても、全然問題ないでしょう。
縦軸を見ていただくと、10円単位です。リピート系注文をするには取引手数料が必要な場合が多いですが、これだけ大きな値動きでしたら、取引手数料は無視できるでしょう。
結論:リピート系注文は、超長期(1年以上)のトレードに向いている。
長期のリピート系注文
次に、上で調査した期間よりも短い長期で考えましょう。下のチャートは、2006年くらいからを表示しています。上の期間の半分です。
このチャートでも、2007年から2012年にかけて売りのリピート系注文ができると分かります。また、2012年後半から2015年にかけては買いで勝負できそうです。
取引開始が数か月遅れても問題ありません。
2007年から2012年にかけてという長期間については、上の「超長期のリピート系注文」で検討しました。そこで、ここではもっと短い期間で考察しましょう。下のチャートの通りです。赤の矢印で取引することを想定しています。
この場合、赤の矢印ひとつの期間は半年から1年間くらいでしょうか。トレンドができてから数か月以上経過すると、取引開始は難しいように見えます。
しかし、数週間から1か月くらい後でしたら、まだ取引開始は可能なように見えます。
本来ならば、トレンドができると同時に取引を始められれば最高です。しかし、それは至難の業です。よって、トレンドができたのを確認してから取引を始めることになります。
トレンドができたのを数週間から1か月ほど待って確認して、それから取引を開始するというのは現実的な考え方でしょう。
結論:リピート系注文は、長期(半年~1年間くらい)のトレードに向いている。
中期のリピート系注文
さて、さらに時間軸を短くしてみましょう。下のチャートは1年間の値動きを示しています。1年くらいの期間でも、ローソク足で表示するのは難しいです。そこで、終値だけを結んでラインチャートにしています。
このチャートを見ますと、上下動を捉えて買い注文と売り注文を繰り返すのは難しいように見えます。縦軸を見ますと、5円刻みになっています。とても大きな数字ですが、取引をする場合は下の矢印のようになるのでは?と思います。
すなわち、上の「長期のリピート系注文」で考察した期間と同じということになります。
実際には、1年間のチャートを皆様のデスクトップに表示する場合、日足を使う方はごく少数だと思います。ローソク足が細かくなりすぎて見づらいと感じるでしょう。
そこで、1年間ですと日足と週足の併用、または週足単独でチャートを見ることになります。しかし、週足で1年間の表示では、ローソク足の本数が少なすぎてトレンド把握が少々難しいかもしれません。
よって、週足で2年~3年くらいを表示して使うと、トレンドが分かりやすくなるでしょう。
結論:リピート系注文は、長期(半年~1年間くらい)のトレードに向いている。週足を使うなら、チャート表示期間は2年間~3年間くらいが使いやすいでしょう。
日足のリピート系注文
さて、さらに期間を短くしましょう。3か月間のチャートです(2016年8月から10月まで)。下のチャートを見ますと、赤の矢印が4つあります。下がって、上がって、また下がって・・・という感じで、とてもキレが良いです。
というわけで、リピート系注文は日足のトレードで有効でしょうか。
これを確認するために、ローソク足で確認しましょう。3か月間ですと、ローソク足で表示しても見やすいチャートになります。
さて、どこで買って、どこで売りましょうか。
私たちは今、過去のチャートを眺めて考えています。このため、底値で買って高値で売るという判断が簡単にできます。しかし、将来のチャート形状が事前に分からない状態で判断して売買しなければなりません。
このチャートを見事に読み切ってトレードするのは、とても難しいのではないでしょうか。
あるいは、読み切ってトレードできるならば、わざわざ手数料を支払ってまでリピート系注文を実行するのは、合理性に欠けるのではないでしょうか。
裁量トレードならば、米ドル/円(USD/JPY)のスプレッドは0.3銭で取引可能です。リピート系注文を使うと、それよりもずっと高いコストを支払うことが多くなります。というわけで、日足で相場が読めるならば、裁量トレードでの売買が主役になるでしょう。
結論:リピート系注文は、日足のトレードで使用するのに少々疑問がある。
時間足のリピート系注文
さて、さらに時間軸を短くしてみましょう。1時間足のチャートです。下のチャート2つは、トライオートFXからの引用です。
まずは、2つのチャートを眺めてみましょう。そして、このチャートでリピート系注文ができるかどうか考えてみてください。
なお、下のチャートは適当にコピーして掲載したものです。1時間足のチャートならば、いつのものでも構いません。いろいろなチャートを見てください。
1時間足のチャートでリピート系注文をするのは、とても難しいのではないでしょうか。理由はいくつかあります。
難しい理由1:放置できない
1時間足の場合、トレンドが目まぐるしく変化します。買いのリピート系注文をしているときに円高になっては困りますから、円安トレンドだけで取引します。売りのリピート系注文はその逆です。
しかし、相場の値動きが目まぐるしく変わりますから、取引を開始して自動取引に任せて放置することが難しいです。
難しい理由2:売買手数料
リピート系注文を使う場合、取引ごとにいくらかの手数料を支払うのが一般的です。名目に関わらず手数料に相当するお金の支払いが不要なのは、マネーパートナーズの連続予約注文とMT4だけです。
結論:リピート系注文は、1時間足のトレードで使用するのは難しい。
リピート系注文が得意とする時間軸は?【まとめ】
以上の通り、様々な時間軸でリピート系注文を考察してきました。リピート系注文を使いやすい時間軸を振り返りますと、以下のことが言えそうです。
時間軸は長ければ長いほど良い
そして、ある程度相場のトレンドを読めるならば、半年~1年以上の範囲でトレンドを追いかけるトレードができそうです。
しかし、トレンドを読むというのはとても難しいのが現実です。
トレンドが読めるならば、裁量トレードをすれば良いのであり、わざわざ手数料を支払ってまでリピート系注文を使う必要はないかもしれません。そして、リピート系注文が多くのユーザーに受け入れられていることは、いかに相場を読むのが難しいかを証明しているでしょう。
とはいえ、当サイトでは、トレンド相場を攻めるリピート系注文についても検討していきます。トレンドを攻めることができれば、とても資金効率が高いリピート系注文が実行できるでしょう。